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めぐりめぐる。

落語や漫才を見るのが好きです。エンタメ系の記事を中心に、幅広く書きたいことを綴るブログです。メールでのお問い合わせはこちら「infomeg2@gmail.com」

なぜ我々はビールを飲むのか、という話

お笑い お酒 思い出

ビールを飲んでいると、時々「なんでこんな苦いものを好んで飲むのですか?」と質問されることがある。なぜだろう。考えてみると不思議だ。「子供の時はなぜ飲めなかったのに、なぜ歳を取ると飲めるのか」という疑問であれば答えられる。

 

人の味覚は劣化していく。子供の頃に苦いものが飲めないのは、「この苦味のある物質は危険かもしれない」という信号が身体から発せられるからだ。脳からのメッセージによって、好むと好まざるとにかかわらずビールを拒否するようにできている。

 

ところが歳を取ってくるとなぜかこの反応が薄まっていき、自然とこの物質を受け入れるようになってくる。この現象について説明をすることはひどく難しい。

 

僕はいつも「大人にとって苦いものはね・・・優しいからだよ」と答えていつも誤魔化している。説得力がありませんか。ガンダムパイロットが戦争根絶を願いながら悩みビールを飲んでいる時に発しそうな言葉じゃないですか(本当に言ってたらごめんなさい)。

 

とにかくこういう回答をしていつも逃げていたんだけど、ある時会社にインターンシップに来ていた学生がしつこくその意味について聞いてきたので、改めて僕は真剣に考えることとなった。なぜ大人はある一定の年齢を過ぎたところで突然ビールを好んで飲みだすのか。それは大学の新歓コンパで無理やり飲まされたからでもなく、冷蔵庫に入っていたお酒がビールしかなかったということでもなく、会社に入ると「とりあえずビールで」という洗礼を受けるからでもない。

 

たぶん仕事が終わって帰ってきた時の疲れた顔をした親父が、喉が乾いたといって冷蔵庫の中に入っているビールを飲んだ瞬間に、今日一日が報われたといった顔をするのを見ていたからだ。ビールには人の心を癒やす力がある。一日頑張ったと心底思えた時、初めてビールを飲む価値がある。そんな一日になるように一生懸命生きているんだって親父も言っていたっけ。

 

つまりね、頑張った自分を受け入れ、今日一日を反芻するのにカシスオレンジなんて甘いドリンクでは不相応である。僕達は苦い物を飲むことでビールと人生を分かち合い、明日も生きていくためのエネルギーを補給しているんだよ・・・とインターンシップ生の女の子に説いたところ、とても不評であった。「私はカシスオレンジでいいです」って。僕は説明をすることを辞め、2杯目のビールを注文し、目の前にあるピスタチオの殻を剥くことに集中することにした。ちょっと悲しかった。

 

(このブログはカシスミルクでご飯を食べる婚約者の顔を見ながら15分で書かれました)