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めぐりめぐる。

落語や漫才を見るのが好きです。エンタメ系の記事を中心に、幅広く書きたいことを綴るブログです。メールでのお問い合わせはこちら「infomeg2@gmail.com」

契約に振り回されている、という話

仕事 雑記

取引先に「契約書の内容が引っかかるから着て欲しい」というお呼びがかかったので、ハイ喜んでの一言で1時間かけてお客様のオフィスに向かった。僕は営業マン、どんなことにも冷静にかつ柔軟に答えなければいけない。上司にはよく「臨機応変」に対応するんだぞ、という有り難いお言葉を頂いている。お客様の無茶な要求に対して臨機応変に対応していいことがあった試しが無いのだが、元気よく返事をして会社を出た。

 

お客様の要望はざっくり言うと「準委託契約が気に入らないから請負契約に変更して欲しい」ということだった。ガッデム。お客様の要望は「我々のシステムを改善して欲しい、作業のボリュームも成果物も決定することも難しいから、毎月◯◯円で出来る限りのことをしてくれたまえ」という内容だったから、僕は頭を抱えた。成果物が明確にならない仕事を請け負うのは難しい。請負契約とは、顧客とのお約束で決定した成果物、つまり結果を重視する。一方準委託契約というのは「作業をした過程」を評価する。準委託契約を選択したのは毎月◯◯円でどこまで作業が行えるのかを協議、決定し、作業の過程を評価して仕事の価値を測ってもらうしかないと考えたからだ。

 

「成果物が明確にならない以上、準委託契約にしかならないと思いますが...」

 

僕は相手の顔を伺いながら声を控えめに抑えて喋った。ほぼ呟きに近かった。あるいは僕はお客様にではなく、その辺にいる契約の神様に話しかけているのかもしれなかった。誰かに僕の正当な呟きを聞いて欲しかったのかもしれない。そしてお客様は話し始めた。

 

「まあ準委託契約だけど請負のような心持ちでやってもらえれば...」

 

これには僕もどう答えていいかわからなかった。契約上は委任型の契約なんだけど、協議の上決定した作業量をこなしても「気に入らないから瑕疵、異論は認めない」ということになるのだろうか。瑕疵担保責任を僕達は負うことになるのだろうか。気持ち的に。

 

「わかりました、一度社内で検討します」

 

と僕は駄目営業の必殺技を使い、その場を逃れた。検討することなんて何もないのに。外に出ると夜の7時過ぎで、空は真っ暗だった。よくよく考えたら今日一日何も食べていない。ため息をつきながら駅に向かって歩き、道の途中にあったコンビニに寄ってご飯を買った。レジの近くの鏡には疲れた顔をした僕が写っていた。そしてその時僕は、一瞬にして自分が老けこんだことを感じた。人はじっくりと歳を取るのではなく、一瞬にして歳を取るんだ...そんな真理を目の当たりにした気分だった。

 

働くってなんだ、働くってなんだ、働くってなんだ...。そう思いながら、僕は帰路(帰社)につくのだった。