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めぐりめぐる。

落語や漫才を見るのが好きです。エンタメ系の記事を中心に、幅広く書きたいことを綴るブログです。メールでのお問い合わせはこちら「infomeg2@gmail.com」

【東京ダイナマイト】知れば知るほど好きになるハチミツ次郎のお話

お笑い

東京ダイナマイトと言えば、華々しくお笑いの大会で優勝するようなことはないけれども、必ず会場に爪あとを残すというか「あいつら一体なんなんだ?」と思わず興味を引いてしまうようなお笑いコンビだと僕は思う。

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今の東京ダイナマイトは実は二代目だ。1996年に曽根卍(そねまんじ)とハチミツ次郎で初代東京ダイナマイトが結成されて、その後紆余曲折あって曽根卍が脱退し、2001年にシュールなボケをかます松田大輔が加入して今の形になった。東京ダイナマイトの最近のネタは松田が歌ネタや変人を演じて非常に目立ちがちなんだけど、よく見ているとハチミツ次郎の方に思わず目がいってしまうというか、ツッコミが上手で引き込まれる。

 

ハチミツ次郎のツッコミスタイルはサンドウィッチマンの伊達も絶賛していて、とても勉強になるとこぼしていたそうだ。サンドウィッチマンのネタを見ていても、確かにハチミツ次郎のスタイルに似ているものを感じる時がある。単純にボケに突っ込みを入れるだけではなくて、少しボケに悪乗りしてみたりとか、冷静に対応するとか、見て笑っているだけとか。ボケに対してキレたり訂正を激しく入れるだけじゃなくて、バリエーションに富んだ対応を入れることで面白さが何倍にも膨れ上がっている。ボケとツッコミというスタイルでお笑いを作る時、いわゆる「日常あるある」なネタと「非日常の中に笑いを作る」タイプのネタが例えばあると思うんだけど、後者のネタの場合あまりにも作られた架空の世界が出来上がってしまうと客がついていけなくなる。でも東京ダイナマイトの場合、設定は思いっきり日常からズレているにも関わらず、その謎の世界観に思わず引きずり込まれてしまって、なんだか本当にそんな人や物事があるんじゃないかと感じてしまうのだ。

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常に堂々としているハチミツ次郎

2015年のTHE MANZAI終了後に、爆笑問題のラジオでも言及されていたのが、「ハチミツ次郎落ち着きすぎ問題」だ。彼はどんな舞台であっても、全く緊張せずにその場に堂々としているそうで、その振る舞いがあまりにも似合っていた結果「師匠」と楽屋で呼ばれているらしい。まあでも、彼がどんなことにも動じずに自分を保っていられるのは、今まで生きてきた中で積み上げてきた経歴があるからこそだと思う。

 

ハチミツ次郎は20歳前半からお笑い事務所「トンパチ・プロ」を自身で立ち上げて、舞台を自分で切り盛りしていた。猫ひろしとか、マキタスポーツを世の中に送り出したのは彼なのであった。そこにトンパチ・プロのライブに定期的に見に来ていたAV監督のバクシーシ山下(台本なしで社会風刺的なAVを撮影する有名な人)と出会い、AVの撮影現場に招待されるエピソードがある。*1ある時山下から「社長*2、うちに見学に来ませんか?」と話をしたという。招待された撮影現場で突然人が足りなくなり、その場が騒然としていたのを見たハチミツ次郎が「俺、AV出ましょうか?」と自ら名乗り出て、そのままAV男優としてデビューする。*3ハチミツ次郎がAVに出演した回数は、なんと80回である。


当時AV男優というと白いブリーフを履いたおっさんが多かったため、ハチミツ次郎のように若く、さらにテレビで名の売れている芸人はいなかったので、AV1本当たり5万円の出演料をもらっていた。(素人のAV男優は1本当たり5000円〜10000円が相場で、5万円というのはチョコボール向井とか加藤鷹が貰うような金額)

 

8本出れば40万円稼げたことから、そのお金を自分達のお笑いの劇場を借りるための資金としてつぎ込み、経営をしていたという。物凄い強いメンタルだ。午前中AVの撮影、午後からオンエアバトルに出場というスケジュールも何とかこなしていたらしい(相方の松田は、ハチミツ次郎が石鹸の匂いを常に漂わせていたからオンエアバトルに落ちまくっていたと苦笑いしていた)。

 

ハチミツ次郎がひな壇をやらないわけ

東京ダイナマイトは、トンパチ・プロの人気が低迷して事務所を畳んでからはオフィス北野(ビートたけしの事務所)にお世話になり、現在はよしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属している。ハチミツ次郎は、オフィス北野に所属していた頃ビートたけしには随分世話になったそうだ。事務所を辞める時にもきちんとビートたけしに挨拶をしたそうだが、その時に「お前らはひな壇と短いネタをやるんじゃねえぞ」と言われてその約束を守っているのだとか。元々東京ダイナマイトとしてトンパチ・プロで劇場でたくさん舞台に立っていたが、事務所を畳んでから入ったオフィス北野ではあまり劇場で場数を踏めないのが不満だった。その気持ちを無くさずに頑張れというビートたけしのメッセージだったのだろう。

 

その言葉通り、東京ダイナマイトはひな壇をやらないし、短いネタをテレビ番組で披露するよりも劇場での公演が非常に多い。というか、東京ダイナマイトは短いネタも面白いけど、彼らの本領は長いネタにあると思う。何というか、3分や5分では面白いさが引き立たなくて、中途半端な印象を受けてしまうのだ。「仕方ないから、ここまでします」という後味の悪さがどうしても出ている気がするし、「もっと見たかったな」と思ってしまう。劇場のネタは本当に面白いので、是非足を運んで生で見ることをお薦めする。

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追記

ヤマグチジロウさんに言及して頂きました。ハチミツ二郎の相方の松田について詳しく書いてくださっています。というか僕より遥かに東京ダイナマイトについて知っていらっしゃいます。興味のある方は是非こちらをどうぞ。

 

colapoly.hatenablog.jp

 

 

*1:ハチミツ次郎はバクシーシ山下にトンパチ・プロの公演のチケットを無料で提供していた。

*2:ハチミツ次郎は社長と呼ばれていた、まあ経営者だから当然だけど何だか面白い

*3:初回はマスク仮面を被り挑戦したが勃たず断念。2回目はハチミツ次郎という名前を使い、顔を晒して撮影に望み、無事に成功。