めぐりめぐる。

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下町ロケットと、社長の想い。他人が敷いたレールを歩くということ。

 

決して、卑屈になっているわけじゃない。自分に同情するのは、卑怯な人間のすることだと誰かの言葉だったか、学んだ覚えがある。だからこれは愚痴というか、真実を改めて実感し、自分の中で納得させるための文章だと思ってほしい。

 

☆☆☆

 

朝起きてから、特にやることもなかったので、Maroon5の「Sunday Morning」を聴きながら掃除をしていたんだけど、音楽を聴くのも飽きてきた頃にAmazonプライムに「下町ロケット」が無料で配信されていることに気づいて、洗濯物を畳みながら見た。見ている内に、それがまた困ったことにすごく面白かったので、途中で見るのをやめて、家事を全て片付けた後に、ビールを片手にまた貪るように見た。日曜日の朝の無神経なビールの苦さと、いい感じに平日の疲れが抜けて家事も終えた達成感で、ちょっと俯瞰して映像を見ることができたのも良かったかもしれない。

 

下町ロケットという映画は、エンジン部品を製作する2代目社長の物語だ。数年前に先代の社長が自社の技術を駆使してロケットを飛ばして、失敗した。「つくだ製作所」というのが会社の名前だ。ロケットを過去に飛ばすぐらいだから技術力はとても高くて、誇りを持ってる。「技術を磨くのが我々の使命」というのがモットーで、技術研究に多額の資金を投入している。ロケットを飛ばすための重要な部品「バルブエンジン」において高い技術を持っていて、特許も取得した。ただ、自社にロケット事業がないし、他者に売り込むことができないからその技術を活用しきれていない。そんな話からスタートする。

 

このバルブエンジンの特許を巡って物語が展開していくんだけど、僕が一番印象的だったのは、最終的には社長の想い一つで会社が動いていく様子だった。これって当たり前なんだけど、なんというかサラリーマンの生き様だなと思った。当たり前すぎて当然だろって思うけど、会社の中にいると忘れちゃうんだよね...。

 

つくだ製作所がある理由で資金繰りが苦しくなるシーンがある。そして、「自社の特許を売ることができれば20億円の金が入ってくる」という場面があって、営業係長の一人が吠えるわけよ。「20億円あれば、会社を立て直せるし、また新しい技術開発ができる。技術を売りましょう。」って。第一線で働く営業マンにとって、「特に自社に利益をもたらすことのない技術」なんて売ってしまったらいいじゃんって思うわけよ。毎日毎日客に頭下げて仕事とってきて、頑張って目標達成して粗利稼いで貢献してるのに、意味のわからん技術開発して研究費使い込んで、なんなんだよ!」って思ってる。なんかその気持ちがね、僕も営業だからよくわかるんだよね。

 

いつ役に立つかわからないものに投資するよりも、近いうちに形になり、利益を生むものに投資する。もしくは活用できるときに活用する、売る。そういう判断がなぜできないんだ!って彼は思う。でも、聞き入れられないんだよね。僕はこのドラマを最後まで見てないからどういう結論になるかわからないんだけど、「特許は売らない、その技術を使ってまたビジネスを広げていく」って話になるのね、社長が決めて。これがもうすごいリアル。

 

どんなに現場で吠えたって、最後は社長の想い一つで会社が動く。それが普通。それは本当に当たり前のことなんだけど、会社の中で一生懸命働いていると、「なんで聞き入れられないんだよ、ふざけんな!」って想いが募る。僕は営業だから、このドラマの営業課長の気持ちがすごくわかって辛かったし、自分に重ねてしまった。所詮、サラリーマンは社長が敷いたレールを走っているだけなんだよなって。それを改めて認識した。

 

会社に意思はなく。意思決定は全て行われていて、右を向けと言われれば右を向くのが組織の姿だ。これを忘れていると、不満が溜まり、やがて溢れてしまうんだなと思った。自らの資本でビジネスを動かさず、多くの人間の生活を背負わず、最終的には(本当の意味での)責任を取らなくてもいい。そんな人間の一言に耳を傾けるように、会社は優しくできていない。そんな風に思った。

 

納得のいかないことが出てきても、穏やかにいられる心を持つか。納得のいくようにビジネスを起こすか。そういうことを我々は問われているんだなって、そう感じたんだよね。