めぐりめぐる。

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俺たちは妻にキャリアを譲ってもらっている

 

僕の妻が働いている職場はとある百貨店のインフォメーションセンターで、身も蓋もない言い方をすれば来客者のありとあらゆる要望を聞き入れてあげる仕事である。客が欲しいものはどこにあるのか教えたり、荷物を預かったり、道順を聞かれたり、百貨店周辺のイベント情報について調べてあげたりと、そこまでしないといけないのかよみたいなことも業務らしく、立ち仕事で毎日8時間程度、よく頑張っているなあと思っている。単なる客の御用聞きでは務まらないらしく、百貨店にある様々な物の位置も把握することも使命だそうで、職場に入りたての頃はよく僕とブランド名と階数を紐づけるクイズをしたものだった。「リサ・ラーソンの家具が置いてあるのは?」「西館2階エレベーターを上がってすぐ右手側!」

 

そんな彼女もこの度妊娠したので数ヶ月後に一旦職場を辞め、出産の準備に入る。いや、妊娠したというかさせたのは僕なのだが。一応計画的な出産にはなるのだけど、一旦仕事から離れることになる。もちろん、彼女のキャリアを犠牲にしたのも僕である。

 

妊娠後も精力的に働いている彼女の元に、ホスピタリティ賞という表彰状がこの間届いた。「素晴らしい接客をしてもらった」と感謝した客が百貨店に連絡をし、受賞に至ったそうだ。本人は凄く嬉しそうだったのだけど、適当な袋に入れてきて表彰状が少し曲がってた挙句、裸でその辺に置きっ放しにするので、僕が後日別の百貨店のインフォメーションセンターに行って「表彰状を入れる額縁はどこに売ってますか?」と聞き、玄関に飾ってあげた。客のことには親身になれるくせに、自分のことになるとなぜか無頓着なのが可笑しい。

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元々バリバリ仕事をするタイプではなくて、出産の際に仕事から離れることは気にしていないと僕に話をしていた彼女だったが、何年も仕事を続け、周りからも実力を認められるようになると、やっぱり寂しいし、もっと働きたいと思うのだろう。「もっと一生懸命働きたいけど、仕方ないね」別に泣いていなかったけど、その時の妻の表情は7年一緒にいる僕も初めて見たような気がする。諦めとも決意とも違う、男には想像もつかん気持ちなんだろう。

 

気持ちを察することなんてできない。想像をしてあげることはできるが、その無念さを100%理解することはできないだろう。だから僕は今自分達が置かれている状況、事実をしっかりと胸に刻み、懸命に働くしかない。

 

俺たちは妻にキャリアを譲ってもらっているのだから。